ポランニーの「経済統合」論

そして、ポランニーは、この「実体的な」経済学のための分析概念として、「経済統合」を提唱し、これまでの人間の歴史において観察される経済統合として、「互酬」、「再分配」、「交換」の三つの形態を挙げた。

「互酬」とは、社会的に関係づけられた、そしてその多くが対称的な関係のもとでの、双務的なギブ・アンド・テイクの関係である。

「再分配」とは、ものであれサービスであれ、中心に向かい、中心から再び出る移動である。

「交換」とは、ポランニーにあっては、現代資本主義社会における支配的な経済統合原理である「市場交換」を意味した。

参考文献:
経済の文明史―ポランニー経済学のエッセンス』  K.ポランニー 玉野井芳郎・平野健一郎編訳(日本経済新聞社、1975年)
人間の経済 Ⅰ、Ⅱ (岩波現代選書)』  K.ポランニー(岩波書店、1980年)


 

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