喜捨。コーランのザカートは、サダカと同じく自発的な喜捨を意味していた。
ザカートの本来の意味は「浄め」で、ムハンマドはメッカ時代からザカートを信者の重要な徳目の一つとし、その支払を絶えず呼びかけていた。その後、ウラマー(イスラーム法学者)によって、シャリーア(イスラーム法)における信徒の基本的な五義務のひとつと定められた。イスラーム世界に広く普及したワクフは、ザカートの精神に基づく寄進行為である。
参考文献:
『『コーラン』を読む(岩波現代文庫)』 井筒俊彦(岩波書店、2013年)
『イスラム世界の経済史』 第二部第5章:ワクフ(寄進)制度にみるイスラム市場社会 加藤博(NTT出版、2005年)
■関連知識カード/章説明他:
イスラーム法(シャリーア)は「正しい生き方」のマニュアル
ワクフとは
イスラームにおける互酬的社会観
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。
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