イスラーム教徒が守るべきシャリーアは、コーランの啓示に基づく、（１）イバーダート、（２）ムアーマラート、（３）ジハードの三つの規範群からなっている。

イバーダートとは、信徒が神に対して帰依の心を直接表明する行為、つまり儀礼的行為。^*1

ムアーマラートとは、ウンマ（イスラム信徒共同体）成員間の正しい関係のあり方を述べた倫理的法的規範。^*2

ジハードとは、イスラム信徒共同体（ウンマ）と非イスラム信徒共同体との関係を律する規範。 ^*3

参考文献：
『新装版 イスラム：思想と歴史』　　中村廣治郎（東京大学出版会、2012年）

^*1　具体的には、イスラム教徒が守るべき五つの柱（行）。信仰告白（シャハーダ）・礼拝（サラート）・断食（サウム）・喜捨（ザカート）・巡礼（ハッジ）。
^*2　次の二つから成る。（１）倫理的義務、（２）日常生活の具体的な法的規範。
^*3　ジハードの原義は、「努力すること」。イスラームの国際法的規範（シヤル）である。

関連知識カード／章説明他： ザカート

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