シャリーア その2

預言者ムハンマドの生存中は、彼を介して下される啓示に従うことがイスラームであった。ムハンマドは最期の預言者であり、彼の死によって、神からの啓示を伝える人間はいなくなった。そのため、神の意思を判断し、具現化する手段として、ウラマーによってシャリーアが体系化されていった。

その法源は(1)コーラン、(2)ムハンマドの言行であるスンナ、(3)ウラマー間の同意であるイジュマー、(4)ウラマーの類推であるキアース、の四つであった。どの法源を重視するかの違いから法学派(マズハブ)が形成された、

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第5章:法  加藤博加藤博(東京大学出版会、1995年)
新装版 イスラム:思想と歴史』  中村廣治郎(東京大学出版会、2012年)

■関連知識カード/章説明他:
イスラーム政治論とは君主論である
イスラーム経済の労働にかかわる三つの特徴


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。


◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック