ハディース学にみる形式合理性 マトンとシルシラ

ハディースは基本的にはマトンとシルシラとからなっている。マトンは伝承がどういう内容であるかを示した部分であり、シルシラは伝承が誰から誰へと伝わったかを示した部分である。

シルシラとは鎖の意味であり、「伝承の鎖」というわけである。伝承は預言者ムハンマドの友人や側近、そして有力なイスラーム知識人を介して伝えられたところから、「伝承の鎖」を確認するため、有力者の伝記が集められ、それがイスラーム文学の一つのジャンルとなった。

参考文献:
イスラム経済論―イスラムの経済倫理』 第一部第8章:イスラム金融を支えるもの  加藤博(書籍工房早山、2010年)
新装版 イスラム:思想と歴史』  中村廣治郎(東京大学出版会、2012年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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