ワクフとは、イスラーム教徒に課された五つの宗教的義務(信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼)の一つである喜捨(ザカ-ト)に基づく寄進行為である。
ワクフというアラビア語は、「停止すること」「凍結すること」を意味し、ワクフは、寄進者が寄進する財産の処分を永久に禁止(停止)し、それを自らが指定する管理人に委ね、そこからあがる収益を慈善目的のために与えるべきことを取り決めた契約である。
参考文献:
『文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第6章:宗教・第3節:イスラム社会に普及するワクフ 加藤博(東京大学出版会、1995年)
『イスラム世界の経済史』 第二部第5章:ワクフ(寄進)制度にみるイスラム市場社会 加藤博(NTT出版、2005年)
『イスラームの都市世界 (世界史リブレット) 三浦徹(山川出版社、1997年)
関連知識カード/章説明他: 制度学派
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。
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