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●オバマ大統領の広島スピーチ

160527 MP

┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

「ルーズベルトの屈辱演説※」を融和させたのが、パパブッシュの1991年12月8日(日本時間)のスピーチだった。

そのおかげで、いまハワイを訪れる観光客は、「ホノルル市民の犠牲者のほとんどは、(日本軍によるものではなく)米軍による誤爆」との案内を聴かされる。ヴォランティアでガイドをする中国系アメリカ人は「日本は軍の施設以外は一切攻撃しなかった。完全な軍事行動であり、賞賛に値する」と訪問客に伝えている。

※ルーズベルトとワシントンの政府首脳部は日本の「奇襲」を、その場所が真珠湾であることを含め事前に知っていながらハワイの米軍司令官にあえて知らせず、しかもその責任をハワイに押し付けた。なぜなら、日本に最初の一撃を打たせることで反戦気分の強い米世論を一気に戦争へと導くことができるからだった。が、あえて国民には「一九四一年一二月七日――屈辱の日としてずっと記憶に残るであろうこの日――アメリカ合衆国は日本帝国軍による突然の、そして、計画的な攻撃を受けました」とラジオで訴えた。

似た構図が今回も生まれるかもしれない。原爆投下を承認したトルーマン大統領の米国民に向けた演説(1945年8月9日)は「原爆は軍と軍需工場を破壊し、日本を降伏させた」という内容で、「その結果、百万人の米兵だけではなく、それ以上の日本国民の命も救った」という神話を作った。

パパブッシュのスピーチ同様、今回のオバマスピーチにもおそらくそういった両国の、歴史認識を変え、新しい関係を作っていく力があるのに違いない。

なにしろ軍需施設もろとも市街が一瞬に焼失、推定14万人もの人々が亡くなり、その中には捕虜となっていた米兵すらいたのだから。
(広島市 - 死者数について  http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1111638957650/index.html  )

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