●メディアの作法、デジタル・テクノロジーの作法

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●X年後、web時代の出版 http://www.slideshare.net/JEPAslide/xweb-66041426
アメリカでは、デジタル化がある変化を生み出した。

しかし日本ではまだまだ。背景にあるのは紙重視で、電子書籍が「出来の悪い」紙のレプリカとなっている構図があるから。
むしろ継子扱いをやめ、主力である紙の出版を「デジタル・テクノロジー」で直すべき。
• 紙書籍の制作を改革する ⇒ 出版デジタル機構のソリューションPicassol
• 紙書籍の販促を改革する ⇒ 出版デジタル機構のソリューションNetGalley

●電子出版ビジネスの「今」と「これから」~破壊ではなく創造へ~ http://www.ajec.or.jp/category/interview2/
「「電子化」と言われていますが、DTPデータはもともと電子データなのに、それをコピペして別のファイルを作ることを「電子化」と呼んでいるのです。よく考えると、ちょっと変ですよね」。

「私は、書籍の制作を、個人的にかなり合理化しました。編集のプロセスを可能な限りデジタル化することで、一冊あたりにかかる時間もコストもかなり減らすことができました。
しかし、他方で、こうした仕組みを他の方に使っていただく試みは失敗しました。原稿などのやりとりは、アナログのワークフローが残ってしまいました。クラウドサーバも使いこなしてもらえなかった。
つまり個人的な自己満足のレベルに留まってしまい、「ルーチン化」できなかったということです」。

「電子出版とは、単に媒体を物理的なものから電子的なものに置き換えた出版ではなく、デジタル/ネットワークの生み出した新しい電子メディア環境に最適化した、新しい出版のあり方(の模索の動き)を指します。それは固定された「概念(コンセプト)」というよりは、連続的に変化する「過程(プロセス)」であり「運動(ムーブメント)」です」。

「「電子出版」において重要なのは、個々のコンテンツの変化ではなく、むしろ出版を支えるプロセスの変革です。出版のプロセスの中心には、「編集」があります。
「編集」の変革がない状態で、ただ「出口」だけデジタルにしただけではだめなのです」。




(プレゼン資料: http://sssslide.com/www.slideshare.net/tomohikohayashi/ajec

★The Newspaper Association of America is dropping ‘paper’ from its name – Poynter http://www.poynter.org/2016/the-newspaper-association-of-america-is-changing-its-name/428934/
米国の話。新聞から「紙(paper)」の名詞を取り除く。
2009年には全米新聞編集者協会(American Society of Newspaper Editors)が「全米ニュース編集者協会」(American Society of News Editors)と名称変更していた。
このたび全米新聞協会も名称変更。「紙(paper)」の名詞を取り除く決定をした。
旧:Newspaper Association of America
新:News Media Alliance

◯デジタルメディアは、ポスト「分散化」時代に突入か?:アルゴリズムに立ち向かう媒体社の取り組み http://digiday.jp/publishers/facebooks-power-growing-publishers-scramble-connect-directly-audiences/
米国の話。Facebookがプラットフォームを離れずに読めるインスタント記事を推奨している。だから、メディア、パブリッシャーのfacebook依存は危険。

「顧客にもっとも近い者が利益を手にする。(パブリッシャーからみると)事実上、顧客との関係をサードパーティー(fb等(に握られている状態(が今)」。
「プラットフォームへの依存度を下げるためにパブリッシャーがとっている戦略は、バリエーションこそあれ、基本的には共通だ。読者のなかからサービスを強化すべき層を選別し、自社サイトやニュースレター、場合によってはオフラインの独自コンテンツにアクセスしてもらう。そこから有料購読に登録してもらうか、コンテンツの定期的な閲覧を習慣にしてもらう」こと。
「ウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)が出した答えは、画一的な有料購読モデルから、内容の異なる複数のデジタルメンバーシップへの転換」。

●Facebook「ドメインインサイト」、新規登録を当面停止:衝撃が走る 新興パブリッシャー http://digiday.jp/publishers/facebook-sunsets-domain-insights-changing-rules-game-new-publishers/
パブリッシャーがFacebookのユーザーに依存するようになった状況では、パブリッシャーがユーザーに関して何をどんな方法で知るかについて、Facebookが強力にコントロールできることに留意すべき。

●Facebookはメディアではない?テクノロジーとメディアは文化的に相容れぬのか http://www.advertimes.com/20160920/article234105/
全米の消費者(成人対象)の4割強が、Facebookを通じて日々のニュースを得ている。だからFBにはメディアになる素地があるし、現に2年前はそれを志向していた。
しかしそれは一旦潰えたようだ。
最近Facebookは、人力運用の「トレンディング」機能を見直し、システム運用に切り換えた。そしてその業務に携わっていた15〜18人のスタッフは解雇された。

衰退したジャーナリズム業界を救うにはデジタルの力に拠るべきだが、カルチャの調整は必要なようだ。

●コンテンツの再利用、米大手パブリッシャーの取り組み:記事の平均寿命をいかに伸ばすか? http://digiday.jp/publishers/how-publishers-wring-new-value-from-old-content/
内容のアップツーデートとか、他の領域(ターゲット層や地域を変えてみる)に応用してみる、とか、Gooleトレンドを使って、検索してくれそうなタイトルに変える、とか、テキストを映像化してみる、など、「賞味期限」を引き延ばす作戦の数々。

●メディアはどうすれば「PV」や「UU」といった「規模的」指標から脱することができるのか http://www.advertimes.com/20160822/article232084/
みんなメディア・ブランドに価値を認めている。価値形成の長い時間を勝ち抜いてきているのだ。
だが、「メディアの伝達形式がアナログからデジタルへと変わり、作り手とユーザーの関係が双方向なものになるにしたがい、メディアの価値を表現する方法にも変化が生じている」。そしてメディア価値の指標が変化し始めた。
・最後まで読んだか?滞在時間は?再訪しているか?
・イギリスのFTは「時間当たり単価方式広告を打ち出した。

・そして「エンゲージメント」。

●設計者を自負する、「フォーブス」商品開発トップの1日:「私はコードを書かない」 http://digiday.jp/publishers/i-dont-code-a-day-in-the-life-with-forbes-head-of-product-development/
メディア企業が現代の環境のなかで成功していくカギは、UXが握っている。
勝者と敗者を分けるものは文章やトピックではない。適切なコンテンツを適切な人々の前に、適切なタイミングで届けること。そして、彼らが楽しめるような体験を提供するということだ

●UXデザインに余白が重要な4つの理由 http://blog.btrax.com/jp/2016/09/20/white-space-for-ux/
「下記の画像でどの唐辛子に目がいくかを考えてみれば余白の効果が一目瞭然だろう」。

他に、
1.ユーザーの理解度がアップする
2.情報のグループ化で直感的なコミュニケーションを実現
3.ユーザーに心の余裕を与える

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●海賊党レダ議員が見るEU”グーグル税”と著作権改革 http://bit.ly/2bHA2yO

●平成の不平等条約? ~ついに公取委が動いたアマゾン「最恵国条項」とは何か~ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1608/17/news026.html

★Kobo Wins Appeal Over Agency eBook Pricing in Canada | The Digital Reader http://the-digital-reader.com/2016/08/19/kobo-wins-appeal-agency-ebook-pricing-canada/