●ヒューマンリーダブル(人が理解できること)とマシンリーダブル(機械が理解できること)

「郵便場馬車をいくつ並べようが、そこから鉄道は生まれない」。

シューペンターの言葉だ。彼が指したと同じ現象、根本的な変化が21世紀の現在起きている。日本では産業界の人間より、法学界の人間のほうで事態の深刻さに自覚的なようだが。

C:技術で/技術が/技術を(ICT:社会・法・制度論と技術文化論)

●次世代Webはブラウザの外にある : could http://www.yasuhisa.com/could/article/nextwebconf-2015/
ヒューマンリーダブル(人が理解できること)とマシンリーダブル(機械が理解できること)は密接な関係にある。片方だけでは Web アクセシビリティの実現は難しい。これだけでも困難な課題なのに加えて近時、マルチデバイス、つれてマルチパスの問題が出てきた。PCからスマホへ、そしてそこではアプリだ、情報にアクセスするパスが、という問題。
課題解決の鍵は JavaScriptにある。なぜなら、 JavaScriptはWeb ブラウザで描画・動作させるための技術群、HTML, JCSS のような Web 技術の一員であると同時に、IoT 、 デスクトップ、アプリ と言った、 Web ブラウザの外への広がりの一要素でもあるから。
このとき重要なのが、特定の企業によって作られたプラットフォームに依存しない、「オープンな Web」という概念。


●EPUB-WEB ― 本とウェブとの境目をゼロにするビジョン http://densho.hatenablog.com/entry/intro-to-epub-web
W3Cの中で、ある議論が始まっている。ウェブとポータブル文書(EPUBなどオフライン環境で用いる出版物の抽象的な呼称)の乖離をゼロに、を目指す活動。
ゼロにして何を狙うのか、それは「意味の連携」だ。意味が発見され、その関連性を可視化したい。そのためには、「オンライン/オフラインに左右されない基本的なインラインのメタデータレコードの構文を定義しなければならない」。
これはヒューマンリーダブル(人が理解できること)とマシンリーダブル(機械が理解できること)の統合ということでもある。

●スマートグラスにも対応。Web標準技術で ARアプリを開発できる「Wikitude」販売開始 http://wikitude.grapecity.com/topics/news-20151020
HTML/JavaScript/CSSなどのWeb標準技術でAR(拡張現実)アプリを開発できるキットと、ブラウザ上でARコンテンツを簡単に作成するクラウドサービスの発表。
「Web標準技術でARアプリを作成できるため利用しやすく、従来よりも多くの開発者がARアプリ開発に取り組むことができ」る。


●Google の RankBrain は、検索のための人工知能/機械学習だ! すでに運用され、実績を上げているという! http://agilecatcloud.com/2015/10/28/google-moves-to-artificial-intelligence-for-search/
ヒューマンリーダブル(人が理解できること)とマシンリーダブル(機械が理解できること)の統合を、データマイニングの手法で追求し続けているのがGoogle。
しかし1990年代に脚光を浴びたころのデータマイニングとは全く次元の異なるものへと変貌を遂げ、いまや人工知能/機械学習の領域に足を踏み入れている。自律的に学習するシステム、あるいはアルゴリズムになってきた。
「検索のためのアルゴリズム構成という視点でみると、RankBrain のような AI システムと、Google における既存のシグナルには違いがある。つまり、後者は、開発者の発見や洞察に基づいているが、それ自身が学習することは無いのだ」。

●Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。 http://www.seojapan.com/blog/faq-all-about-the-new-google-rankbrain-algorithm
「ハミングバードは検索アルゴリズム全体を指し、ちょうど車における全体としてのエンジンのようなものだ。エンジン自体は複数のパーツから作られているものであり、オイルフィルターや、燃料ポンプ、ラジエーターなどがパーツにあたる。同様に、ハミングバードは複数のパーツを含むものであり、RankBrainは最も新しいパーツの一つ」。
ただしそのパーツは、「Webページをランク付けするための三番目に重要な要素」。
・「食物連鎖における、最上位の消費者のタイトルは何か?」の例:

●車の未来変えるのはグーグルやアップル http://jp.reuters.com/article/2015/10/27/okuyama-i-idJPKCN0SL0CT20151027
クルマを変えるんじゃなくて、<交通、移動のデジタル化>で社会を変えるんだろうな、グーグルやアップルは。
「自動車産業を変える「ゲームチェンジャー」になるのは、グーグル、アップルなどIT企業による自動運転技術だと」「日本の自動車各社は「今のままでは、(IT企業にベース車を供給する)サプライヤーになるだろう」、と。

●トヨタ、2050年「脱エンジン」宣言の狙い http://toyokeizai.net/articles/-/88621
トヨタ経営幹部の意識は、「遠い未来とはいえ、自動車会社がエンジンのみの車を否定した意味は大きい。「まだ35年あるというが、自動車業界にとってエンジンが減るのは天変地異に等しい」」というレベルのもの。

●インダストリーから見た超スマート社会の 到来と基盤技術 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kiban/3kai/siryo4-2.pdf
モノ造り・モノ売りの経済が直面する100年ぶりの構造転換が始まっている。「つながる」がキーワード。このことで従来型のビジネスモデルが使えなくなる。互いに繋がるエコシステム型の市場では、技術を付加価値生産性に結びつけるメカニズムの再構築が必要になる。
象徴的な例がクルマ。完結した【全体】だったはずの自動車が、“つながる”ことによって、これから生まれる新たな全体の中の【部分】になってしまう。

●人工知能で人類滅亡の脅威、国連で専門家が警鐘 http://www.gizmodo.jp/2015/10/post_18578.html
「我々は、スーパー人工知能を使ったシステムを作る前に、それをコントロールする仕組みを用意する必要がある」。

●機械は我々を幸福にするのか 「グレート・デカップリング」という現実 http://www.dhbr.net/articles/-/3538
当分、機械には無理な仕事の領域:高度な創造力=新規事業の素晴らしいアイデア、科学的な大発見、人を引きつける小説などを生み出す力/感情、対人関係、思いやり、育成、コーチング、意欲喚起、統率=ボディランゲージの解読が必要/機敏性、可動性=混雑したレストランの中を歩く、テーブルを片づける、食器をキッチンに戻す、食器を壊れないように流しに置くといった作業。

●「ロボット」という言葉はもはや無意味なのか? https://wirelesswire.jp/2015/10/47216/
さようなら、ロボット(という単語)。「「自動的に一連の複雑な動作を実行できる機械、特にコンピュータによりプログラム可能なもの」というオックスフォード英語大辞典におけるシンプルな」ロボットの定義に従えば、私たちの身の回りに、ロボットは溢れかえっている。
そして何か問題が起きると「ロボット問題」をこねくり回す。だがそれはおかしいだろう。ロボットの不正な動作について語るとき、我々はそのロボットが、人間が書いたひどいコードを実行しているだけなことをしばしば忘れてしまっていやしないか。
「「ロボット」という言葉を口に出す回数が少なくなればなるほど、我々はその生活を支える機械の仕組みをより理解することになり、最終的に機械をコントロールする人間に対して説明責任を求めることになる」、と。

ロボットと人間が対立せず、楽しく共生できる社会づくりとは? http://diamond.jp/articles/-/79635
2020年の東京オリンピック・パラリンピック。そのとき世界からやってくる人々に、日本の先端ロボットをお見せしたらどうだ、という話が進んでいる。
2015年9月15日、文部科学省において「ユニバーサル未来社会推進協議会」が設立された。協議会の目的は、「先端ロボット技術におけるユニバーサル未来社会の実現」。
キーワードは「コンビビアリティー(conviviality)」。「オーストリア出身の思想家イヴァン・イリイチ(1926~2002年)が提唱した概念で、日本語では「共悦」「共愉」、つまり“みんながワイワイ楽しく、生き生きとしている様子”」を指す。
(「先端ロボット技術によるユニバーサル未来社会プロジェクト」 http://bit.ly/1High6U

●先端ロボット技術によるユニバーサル未来社会体験の実現に向けて
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/kaikaku/dai6/siryou3.pdf
「(思いやりを土壌にした)ロボット社会を築くとことが、メッセージとして世界に広がっていくことを期待しております(毛利衛)」。
プロジェクトでは、単なるイノベーションの奨励にとどまらず、人間と人間、日本人と外国人、健常者と障がい者、そして人間とロボット(場合によればペットも)が手を取り合う社会のあり方という哲学を、日本から提案していきたい、と。

●「ロボット法学会設立準備会」に寄せて http://blogos.com/article/138762/
なぜロボット法学が必要なのか?
プロ棋士を破った電脳戦に登場したロボットに対し、ロボットのプログラマーはこう言った。「勝ったのは私ではありません。このロボットです」と。ならば、「あいつを殺したのは私ではありません。ロボットです」という弁解が生まれないか?
蒸気機関は産業革命を、コンピューターは情報革命を起こした。ロボットは感情の世界に革命を起こす可能性がある。そろそろ人間とロボットがプライバシー情報をやりとりすることについて、適切なルールを策定すべき段階にきている。
完全自動運転自動車同士の事故の場合に、いまの刑法は対応ができない。現在の法体系の全面見直しが必要だ。