●GPUにより高速化された人工知能 深層学習へ

C:技術で/技術が/技術を(ICT:社会・法・制度論と技術文化論)

GPUによるAIの高速化――新たなコンピューティング・モデルの誕生 https://blogs.nvidia.co.jp/2016/01/12/accelerating-ai-artificial-intelligence-gpus/
最新型AI―すなわちディープラーニング―のビッグバンについて。近年、ディープラーニングが急速に進歩しているのは「プログラミングが容易で、ネットワークのトレーニング速度を10倍から20倍に引き上げられる高速グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)が登場したから」。
ディープラーニングにおいて、12個のNVIDIA GPUが2,000個のCPUに匹敵するパフォーマンスを挙げられる。このおかげで、「ディープラーニングは2012年に人間が書いたソフトウェアを打ち負かし、2015年には「超人的な」認識能力(ヒトの認識能力(例:画像)を超えた)を実現した。


●グーグルのAI研究者による「ディープラーニング」無料教育コースがスタート http://newswitch.jp/p/3396
1週間6時間で3カ月間、MOOCのユダシティー通じて提供。エンジニアやデータサイエンティストなどの中上級者向け。インストラクターはグーグルの主席科学者で、「グーグル・ブレインチーム」でマシンラーニング(機械学習)や人工知能(AI)を研究するヴィンセント・ヴァンホウク(Vincent Vanhoucke)博士が務める。
(サイト Deep Learning | Udacity https://www.udacity.com/course/deep-learning--ud730

●深層学習(ディープラーニング)を素人向けに解説(前編)―基礎となるニューラルネットワークについて http://stonewashersjournal.com/2015/03/05/deeplearning1/
人工知能にとって本当に必要なことは、この「教師なし学習」。たとえば動物の分類作業でいえば「人も「教師なし学習」型の機械と同じように、誰も教師のいない世界で動物の事を学び、自ら動物を分類し、哺乳類という種族で分ける事を思いついた」。
人間と機械が異なるのは、この能力の規模が桁違いだということ。24時間休まないうえ、人間ができない大規模の情報量を処理できる。

(後編 http://stonewashersjournal.com/2015/03/07/deeplearning2/
そのうえで、分析対象を小さく分けて分析していくところが味噌。ディープラーニングのポイントはこの「小分け」して分析する点。これで人間の学習過程をなぞることができるようになった。
たとえばこれまでの機械翻訳がやっていたのは、「統計の世界」。「言語の翻訳などもそれに近く、辞書的に文法や単語を見て、単語を並べ替えているだけでした。それがようやく、ディープラーニングを駆使することで、人間に近い思考回路を持って、なんとなくだけれども「理解」した上で答えを出すようになったのです」。

●はじめるDeep learning http://qiita.com/icoxfog417/items/65e800c3a2094457c3a0
Deep learningの三要素:データの分割/特徴の抽出(特徴抽出に利用するモデル+抽出した特徴量の伝播方法)/判定。

●ニューラルネットワークと深層学習 http://nnadl-ja.github.io/nnadl_site_ja/index.html
無料のオンライン書籍。
取り扱っている内容:ニューラルネットワーク:コンピュータに、観測データにもとづいて学習する能力を与える、生物学にヒントを得たプログラミングパラダイム/深層学習:ニューラルネットワークに学習をさせるための強力な手法。
「この本の目的は、深層学習の新しい手法を含むニューラルネットワークの中心的な概念をあなたが習得するのを助けることです。 この本に取り組んだ後には、あなたはコードを書き終わっているでしょう。そのコードは、複雑なパターン認識の問題を解くために、ニューラルネットワークと深層学習とを用いるものです。 そして、ニューラルネットワークと深層学習を用いて自分自身が考え出した問題に取り組むための、基礎的な知識が身についているでしょう」。

●Google会長が「人工知能は世界に横たわる厄介な問題の解決にこそ役立てられる」と語る http://gigazine.net/news/20160117-ai-help-solve-hard-problem/
「現在、世界的規模の問題として挙げられている、人口爆発、気候変動、教育などの、『難問』の解決に、AI技術が貢献することができる」、とシュミット氏は考えている。

●人工知能が囲碁のプロ棋士に初勝利、グーグル・ディープマインドのプログラム http://newswitch.jp/p/3408
ディープニューラルネットワークは、専門家の指し手による学習と、コンピューター同士の自己対局を併用した強化訓練を実施。その結果、AlphaGoはほかの囲碁プログラムに対する勝率が99.8%にのぼった。

●グーグル、囲碁で「人間超え」の衝撃 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/012800224/
将棋AIの開発が進んだ日本では、既にビジネスへの応用への動きが始まっている。
「金融とITを組み合わせるフィンテック分野で、将棋で培ったAIのノウハウが活用できる可能性がある」。プロ棋士を凌ぐ将棋AIを作った開発者、山本一成氏を擁するベンチャー企業、HEROZは野村證券とも、市場予測の研究開発に乗り出している。

●NTTコミュニケーションズ、「WideAngle」の人工知能(機械学習)基盤を大幅強化 https://iotnews.jp/archives/11920
サイバーテレオ対策に人工知能。
「企業のIPS/IDS/FW/ProxyサーバーなどのIT機器から取得したエンドポイント情報を活用し、セキュリティ脅威レベルを自動判定する機能、および情報漏洩の重篤度に応じた最適なセキュリティ対策を迅速に情報連携する機能を独自に開発・実装」するが、判定作業を裏で動かしているのが人工知能。

●人工知能で不良債権の発生を通知、「freee」の会計データと連携する経営分析ツール提供 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20160119_739664.html
開発者向けAPI「freee API」を利用した経営分析ツール「SHARES AI」、開発者向けAPI提供プログラム「freee Developers Community」を公開させる。
これらのツールは会計データをもとにした企業の経営分析と課題発見を可能にし、不良債権が発生した際に通知する機能も提供する。

●ブロックチェーンでゲームインフラ運用コストを1/2に、テックビューロがGMOインターネットと提携 http://jp.techcrunch.com/2016/02/01/gmo-techbureau/
ビットコインなど、FinTechで俄然脚光を浴びているBlockchainを技術を、今度はゲームインフラに適用。メリットは無停止かつ高トラフィックへの耐性があるバックエンドを作れること。またインフラ運用コストを従来の約1/2以下に削減できる。
「オンラインゲームでは、ゲーム内通貨やアイテムに関わる不正が横行する問題もあった。そうした仮想通貨やアイテムの管理に、改ざんできない分散台帳であるブロックチェーンは非常に有効だ。ソフトのバグによりアイテム個数が増えたり減ったりする現象も未然に防げる」。
金融分野を中心に、Blockchain技術関連の開発者の人数は多いので、意外と具体化が早いテンポで進み、ゲーム業界に浸透するかも。

●人工知能はアートの夢を見るか? 人間に残された聖域は http://www.asahi.com/articles/ASJ144606J14UEHF005.html AIの可能性を探る試みは、「人間らしさ」を見つめ直し、再定義することにもつながる。
機械にも可能な「ほどほど」の創作と、人間にしかできない高度な創作。AIの発達とともにオリジナリティーの二極化が進めば、前者の価値は相対的に低下していくだろう」。
「では、AIにも代替できない人間の聖域とは何か。東大の松尾豊特任准教授(人工知能)は「選び取る力」だと考える」。

●「引用なしで創作など出来ない」 美術評論家・椹木野衣さん http://www.asahi.com/articles/ASJ1411CZJ13UCVL00M.html
「中世にまでさかのぼると、作者名なんて残っていないし、ギリシャ・ローマにしても、作者が誰かなど重視されていなかった。ルネサンス以降、巨匠の名前を多く見かけるようになるが、それでさえ工房制をとっていることが多く、レンブラントやルーベンスなどは集団制作で、作品というよりは製品に近いところがある」。
「1人の力で他の人ではまねできないような優れた芸術を作りあげる天才への信奉が出てきたのは、それまでのキリスト教の権威が市民革命などで失墜したあとの19世紀くらいだろう」。

●自動作曲は著作物か 福井健策弁護士、ミクに歌わせた http://www.asahi.com/articles/ASJ157KFVJ15UCVL03D.html
「文化に模倣は付き物なので、既存の作品の権利を強くしすぎると、新しい創作が萎縮して出来なくなる。ただ、その逆となると「パクリ天国」。一生懸命コンテンツを作っても報われず、作品が作られなくなる懸念がでてくる。バランスが知財法制の生命線」。
おそらく人工知能がマーケティング活動を自動化し、売れやすい創作物を量産し、しかもパソナライズしていくことで、商業的な成功を納める未来はありうるだろう、だがそれは真の「創作」支援とは言えない。そもそもマーケティング活動というものが、過去を対象にした分析を出発点にしているからだ。
たとえて言えば、、「マーケットを席巻するのにゴッホは基本的に必要ない。現に(ゴッホ)の同時代の市場は(ゴッホ)を全く発掘できなかった。天才は次の時代の社会のために仕事をするのであって、同時代は必ずしも彼らを必要とはしないのが常」。人工知能もおなじことになるだろう。
創造性を構成しているのは、模倣と学習、それにノイズ。つまり、揺らぎや遊びが大事なのだ。

●人工知能で技術的失業をした人びとの第二の人生は? 経済学者からのヒント http://ja.catalyst.red/articles/ai-tomohiro-inoue
「イノベーションでさえも機械が自動的に起こせるようになる可能性がある」。
希少性が経済活動のベースになっていた18~20世紀と異なり、現在は限界費用ゼロの経済社会。すると、これまで、技術的失業がそれほど問題にならなかった(一部の失業を産んでも、同時に大量の需要を創出したから)のにたいし、今後の事態は深刻だ。
「つまり、現代の高度なテクノロジーと人間という新たなコラボレーションは、過去の産業革命でもたらされたものとは異なり、それほど雇用の創出を生んでいません。その理由は、特にデジタル空間で完結するテクノロジーは、制約はあるもののあまり費用をかけず「コピー」できてしまうからです」。
「今後経済構造は、生産要素として労働が必要なくなり、資本と技術水準のみで産出量が決定される「AK型生産経済」へと変化していく」。