●資本主義は曲がり角に来ている とりわけ日本の

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┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

●(書評)『善と悪の経済学』 トーマス・セドラチェク〈著〉 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11894370.html?rm=150
「経済学がどんなに自然科学に近づこうとも、それは完全に自然科学にはなれないし、またそうなるべきではない、と主張するのが本書」。資本主義は曲がり角に来ている。資本主義のメタモルフォーゼの時が近づいている。

●経営学の巨匠ミンツバーグが示す新たな経済社会とは? 序文公開――『私たちはどこまで資本主義に従うのかhttp://www.dhbr.net/articles/-/3871
「バランスの取れた社会は、三本の脚に支えられた椅子のようなものだ」。
「一本の脚は、国民に尊敬される政府に土台を置く政府セクター。私たちは、そうした政府に保護されている面が大きい(警察機能や規制など)。もう一本の脚は、責任ある企業を基盤とする民間セクター。私たちはそうした企業に、雇用の多くと、商品やサービスの大半を依存している。そしてもう一本の脚は、強力なコミュニティを舞台に形成される多元セクター。私たちは、このセクターのさまざまな団体に帰属意識を抱くことが多い」。

●マーケティング4.0の時代に、日本企業は何をすべきか ――フィリップ・コトラー http://www.dhbr.net/articles/-/3850
「本来、生産性が高まることで労働者、サプライヤー、ディストリビューターなどのコミュニティ全員にその富を配分されなければなりません。しかし現実には、CEOの報酬や資本家の価値は上がっているものの、中間層の規模そのものが縮小していることと相まって、労働者の平均賃金は1980年代とほとんど変わっていない」。
「マーケティング1.0は、単に「よい製品だ」と思って買ってもらえる段階です。2.0は、「私はこの企業を愛しているので、この企業の製品なら買う」、3.0は「この企業は社会に貢献しているので、そこの製品を買う」という段階です。私はこれ以上はもうないと思っていましたが、その先のマーケティング4.0がありました。それは、消費者の自己実現につながる製品です」。

●米国に新たなデジタル格差、「持つ者」と「もっと持つ者」 http://jp.wsj.com/articles/SB12554609945154534602604581422763027066214
マッキンゼーのリポート「デジタル・アメリカ:持つ者と、もっと持つ者の物語(Digital America: A Tale of the Haves and Have-Mores)」。まず企業について:「デジタル技術を多く活用している企業は、成長率と収益性が通常よりも高く、他のあらゆる者に勝っている」。
そして個人でも、デジタル化でリードするセクターの生産性は伸びている。「こうした生産性が伸びたセクターでは、賃金が速いペースで伸びることにつながっている。「デジタル労働指数」は、どれだけ多くの職場および仕事がデジタル化されているかや、デジタル技術の浸透(つまり深化)の度合いを計測する指数だが、その指数の数値が高くて上位にあるセクターでは、1997年から2014年までの賃金の伸びが4~5%と、経済全体の平均の2.4%を大きく上回った」。
( Digital America: A tale of the haves and have-mores  http://www.mckinsey.com/insights/high_tech_telecoms_internet/digital_america_a_tale_of_the_haves_and_have_mores

●大竹文雄・評 『21世紀の不平等』=アンソニー・B・アトキンソン著 http://mainichi.jp/articles/20151227/ddm/015/070/022000c
不平等の拡大について。「グローバル化や技術革新が格差拡大の原因であることは認めた上で、使用者と労働者の間の交渉力や分配に対する社会的規範、税制が不平等に大きく貢献することを指摘」。
そして格差への対応として、「アトキンソン教授の15の提案は、所得不平等対策を議論する際に、誰もが共有すべき出発点となるだろう」、と。

●Adobeの売上は記録破り―大企業でもビジネスモデルの根本的転換は可能だ http://jp.techcrunch.com/2015/12/15/20151212adobes-record-revenue-proves-successful-business-transformation-is-possible/
「つい数年前までAdobeは箱入りソフトを売る会社だった。それがごく短期間でクラウドサービスの定期課金(サブスクリプション)を主力とする会社となった」。
「普通の会社なら確立した箱入りソフト販売モデルの横に少しずつサブスクリプション・モデルを忍び込ませるというような方法を取っただろう。しかしAdobeはいきなり箱入りソフトの販売を止め、全面的に定期課金モデルを導入した」。

●2030年に向けて 日本企業が直面する構造変化:2030年の日本 http://www.nri.com/~/media/PDF/jp/opinion/teiki/chitekishisan/cs201506/cs20150607.pdf
日本企業の進むべき方向:機能プラットフォーマー/事業コーディネーター/顧客密着企業。

●「能力」を持つイノベーターの見極め方 - リアル開発会議 http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/091600011/120100006/
「Purpose」「Potential」「Passion」「Protocol」の四つの「P」。「イノベーションを具現化するには「バイアス(先入観)を崩す」ということが絶対に必要です。次に必要なのは、「アイデアという抽象概念は、組み合わせることで必ず構造化できる」という考え方です。こうしたこと(=Protocol)をキッチリとやると、イノベーティブな発想に至る確率がぐっと上がります」。

日本の1人当たりGDP、香港・イスラエルに抜かれる 2014年 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H4Z_V21C15A2EE8000/
日本社会に起きている基盤低下があらわになる国際比較の数値、一人当たりGDP。1996年には3位だった、この数値がいまや20位。「日本は1996年に3位だったが、21世紀に入って下がり続けている。14年は主要7カ国(G7)でみてもイタリアをわずかに上回る6位」。

●「子ども政策の貧困」が「幸福度の基盤低下」を加速する  http://www.huffingtonpost.jp/nobuto-hosaka/child-policy-poor_b_8887812.html
「子どもの貧困」と「機会の不平等」を解消するために、「ひとり親家庭」の生活支援を強め、教員を加配(通常より教員を多く配置すること)して授業についていけない子どもの個別支援をきめ細かくすることは有効な対策。1「「子どもの貧困」の現実を底上げしていくには、「子ども・教育予算」の拡充は必須」。

東浩紀氏「日本衰退の事実に気付かず日本を礼賛している若者が多い事は残念」 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/914555
「日本のGDPがいまやアメリカの4分の1中国の半分以下で、一人当たりGDPは世界27位というのは、90年代に20歳代だったぼくの世代にとってまさに屈辱的な数字だけど、より屈辱的なのは、にもかかわらず日本最高とか言い募る若者がいっこうに減らないことだ」。

●富裕層に1%課税すれば消費税増税必要なし http://editor.fem.jp/blog/?p=1531
日本のミリオネア(純資産百万米ドル以上、1億2千万円以上の富裕層)は212万6千人で国別では世界第3位で日本の全人口の約2%にあたり、2020年には69%増加し359万1千人になる見通し。
その一方で貯蓄ゼロ単身世帯は半数近くになり貧困率16.1%と過去最悪を更新

●政府債務はいくらあるのか http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51450295.html
「借金1000兆円というが、政府内にある資産を考慮すれば500兆円。政府の関係会社も考慮して連結してみると200兆円になる。これは先進国と比較してもたいした数字ではない」、とする考え方は、企業のバランスシートと、政府のそれの違いを知らない人の言うこと。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●40人のビジネスパーソンが絶賛した「1年の振り返り方」完全マニュアル https://mirai.doda.jp/theme/looking-back-planning/procedure/


●緊張しなくなったピアニスト ~いつでも自然体でいられるコツ~  http://www.huffingtonpost.jp/coffeedoctors/pianist-nervous_b_8780176.html

●ベネディクト・アンダーソン死去=『想像の共同体』を著した米国の政治学者 http://societas.blog.jp/1047424445

●1930年代から60年代のベルリンの貴重なカラー写真と現代との変化を比較できる「Historical Berlin in colourhttp://gigazine.net/news/20151212-historic-berlin-in-colour/