一人出版社の「ロボット化」について

※これはインストラクショナルデザイナー、境祐司さんの「ニューズレター」の配信記事。ご本人のご了解をいただき、全文転載させていただいています。


 

一人出版社のニュースレター「Vol.07」です。

長期プロジェクトも、残り4ヵ月になりました。現在、最初のサブコンテンツとしてマイクロブロギングを積極的に進めています(Twitterを活用)。

Google検索で、ツイートが表示されるようになりましたが、

Google検索の結果(on Twitter)
http://bit.ly/1hFRovR

PodcastのiTunes Linkも表示されるため、音声コンテンツのダウンロードが増加しています。

販売に結びつくのは、圧倒的に検索経由です。

Facebookは、自分が住んでいる「島」の外になかなか伝播していかないため、プロモーションには使用せず、購入された方々、受講された方々とのプライベートな対話を深める場として活用しています。
ブログの方は一旦停止して、ニュースレターの改善に努めています。

さて、今回は、前号(Vol.06)の続きを予定していましたが、長期プロジェクトの取材に関連した内容に変更したいと思います。
※現在準備している「THINK GCDeMO」というサブコンテンツに絡めて書きたいのですが、難航中のため。前号の続きは、次回の配信にします。

●一人出版社の「ロボット化」

突然ですが、
現在、一人出版社の「ロボット化」を目指しています。

2017年までは勉強期間ですが、東京オリンピックが開催されるころには、今考えていることが実現できるのではないかと考えています。

ロボティクスの取材を通して、(断片的ですが)実際に試すことができ「すでに実現可能であることを確認できた」ことが大きく、クリエイティブな領域でも無関係ではないと感じました。

発想や文章づくり、そして取材などの活動をより精鋭化していくための「ロボット化」で、マネージャー的な役割です。

今は、自営業者でもニュースレターの記事を外から買っています。
ニュースレターの記事を自分たちで書き、週刊で配信できるところは少なく、強引に続けても、可もなく不可もない記事が並ぶだけで、次第に読まれなくなっていきます。

外から記事を買って、全体の品質を保ちながら、「あとがき」や「編集後記」で個性を出していけば、「読まれる」ニュースレターとして配信できますので、有効な方法だと思います。

参考:
キミアキ先生の起業酔話
https://youtu.be/IT8o3pWA_BI

出版活動における「ロボット化」というのは、作業の効率化より、検証や分析で力を発揮すると考えています。

例えば、読者向けのニュースレターなら、登録者の10%に2種類のニュースレターを配信して、異なる位置のリンク計測でクリック率の高い方を90%に配信するなど、テストを繰り返しながら、最も効果のある情報の出し方を私たちに提示してくれます。

人間は、リアルプロモーションに集中し、ネットプロモーションは、ロボットに任せるという役割分担です。

一人出版社の販促活動における最大の問題は、営業をする人がいないことです。
今は、取材で動いていますので、コンテンツ制作もなかなか進まない状態。媒体力がない出版社が、リアルプロモーションなしでやっていくのは無謀です。

ネットプロモーションの多くは、ロボット化し、リアルプロモーションと取材(一次情報の獲得)は、人間が頑張るという構造になれば、一人出版社の発展につながっていくと考えています。

1980年半ば、
「来年からデザインワークは全てコンピュータでやる」と宣言して、まわりの人たちが「あっ、そう。すごいね(冷めた感じで)」とまるで相手にされなかった大先輩が、その後、DTPのエバンジェリストとして大活躍するわけですが、当時の「デザインワークのコンピュータ化」というのは、今のロボット活用より夢物語だったと思います。

写植屋をやっていた人が言っていたことを思い出します。

「いやぁ、まさかコンピュータに仕事を丸ごと取られてしまうとは思わなかったよ」

この方は、後にDTPの出力センターを立ち上げて復活しましたが、大半の写植屋さんは「コンピュータは高価だし、そう簡単に普及しない。まだ大丈夫だろう」と判断した結果、次々と廃業に追い込まれていきました。

Macintoshと300dpiのレーザープリンタで、200万円以上かかっていた時代なので、無理もないのですが、それでもデザインのコンピュータ化は急速に普及していきました。

当時は、デザイン誌などでも「コンピュータに置き換わる?そんな未来が本当にくるのか」という座談会が企画されたり、「コンピュータが普及するほど、手作業の確かさが見直される」といった議論もありましたが、DTP化は着々と進み、ソフトウェア、ハードウェア共に驚くべきスピードで進化していったことを思い出します。

ロボットというと、ソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」のような高度なヒューマノイドをイメージするかもしれませんが、北米のマーケットを中心に販売されている子ども向けのおもちゃ(スマートトイ)を見てください。

子どもと対話できる能力は、クラウドAIに任せています。

おもちゃには、各種センサーとカメラ、マイク、アームや車輪があればよいのです。頭脳(音声認識と自然言語解析の処理)は外の技術を利用します。

もっと言えば、スマートフォンがあれば、クラウドAIとのやり取りやセンサー、カメラ、マイクは必要なくなります。

アームと車輪だけのロボットに、ガチャン!とスマートフォンを差し込めば、対話できるロボットが完成します。

これから登場するスマートフォンには、人間と同じような空間認識能力が備わります。

すでに、Googleのプロジェクト・タンゴでは、プロトタイプが完成し、開発者にどんなサービスが可能か、考えてもらっている段階です。

Appleも、2013年11月24日にプライムセンス(PrimeSense)を買収、3Dセンサー技術によるジェスチャー認識などの特許を取得済み。
※Googleのプロトタイプには、このプライムセンスのチップが搭載されています。
※プライムセンスは「Kinect」の実績で知られる3Dセンサーでは有名な企業。

今後、Apple TVでジェスチャー認識が可能になったり、iPhoneやiPadに3Dセンサー(視覚と空間の認識能力)が搭載される可能性があります。現在は、Googleが一歩リードしていますが、どちらにしても、空間認識はスマーフォンの標準機能になるでしょう。

スマートフォンに、「考える(頭脳)」、「感じる(目・耳・皮膚)」機能を任せることができれば、ロボット本体は「作業(手・腕)」と「移動(車輪・足)」機能だけです。デザイナーは、アイデアを具現化しやすくなります。

クリエイティブの分野における「ロボット化」というのは、人型のロボット(ヒューマノイド)ではなく、HAL(2001年宇宙の旅)のような究極のパーソナルアシスタントではないかと思っています

ロボティクスの取材では、センシング技術や音声認識、自然言語解析などのテクノロジーだけではなく、FacebookやGoogleが取り組んでいるディープラーニングやビッグデータコンピューティングの動向も得ることができ、私たちが考えているSFの未来とは少し違った世界が見えてきます

気になっているのは、Appleの動向です。

Apple Computerが、Appleに改称したのは、2007年1月9日。
同日、新製品「iPhone」が発表されました。

この頃はまだ、Appleが電話を製造することに違和感をもっていた人が多かったと思いますが、iPhoneはモバイルの市場を席巻し、同社の主力製品になりました。

ただ、どんなハードウェアでもコモディティ化は免れません。

Appleにとっても深刻なことで、iPhoneをいくら高性能化しても限界があります。
2015年4月24日に発売されたApple Watchは、最初のiPhoneほどインパクトはなく、次のドミナント・デザイン(dominant design)を生み出そうとしているはずです。

高度なセンサー、カメラ、マイクを搭載したモバイルデバイスが急速に普及したことで、毎日、250万テラバイトのデータがインターネットに流れています。
GoogleやFacebookは、ユーザーのコンテキストを読み取り、ニーズを予測、必要とされる、その瞬間に提供できるサービスの開発で競っています。

まさに、究極のパーソナルアシスタントをつくろうとしています。

Appleは、買収した企業の技術を活かして、この領域に入ってくるのではないかと考えています。
一人出版社が求めている「ロボット化」というのは、こちらの方向です。

国内のロボットやAIの動向については、オリンピック開催までの期間とオリンピックが終了した後では、大きく変化します。
オリンピックが終わったあとに発生するさまざまな問題を今から想定し、2020年までに実現したいことを計画しなければいけません。

2020年までの5年間は、目が離せません。

次号に続きます。

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■オープンエデュケーション

GCDeMOの一番最後の「オープンエデュケーション」の仕事です。機材を提供していただき、スクリーンキャストを迅速に公開できるようになりました。
受講された方からの貴重な意見、要望は新しいコンテンツに活かされます。

一人出版社ウェブキャスト試行講座 2015夏

夏休みに習得しよう!
Adobe Muse CC 2015でシングルページウェブサイトをつくる
http://muse-2015.businesscatalyst.com/index.html

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■デジタル本・長期プロジェクト

ティーザーページを公開中です。ゆっくり時間をかけて、プロモーションページに育てていきます。

2016年1月リリース
医療・ロボティクスをテーマにしたコミック「ZEROROBOTICS」
http://expub.businesscatalyst.com/

2017年正式スタート/2020年7月まで
最強の出版チーム「シニア出版社」2020構想
http://gerontechnology.businesscatalyst.com/

投稿日:2015年8月28日(金曜日)午後

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Creative Edge School Books
http://design-zero.tv/school/booklist/ 

 

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