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Evolution of the Human Sociality

「社会」の学としての霊長類学

『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)』(上)「社会」の学としての霊長類学

■上巻のメッセージ

霊長類は熱帯雨林の住人であり、熱帯雨林の生態系の一部として生存していた。ところがおよそ一千五百万年前におこった気候変動により熱帯雨林の急激な縮退が起き、樹上生活者たる霊長類にとって生存環境の過密化という問題に直面した。

霊長類の中で、この問題の解としてニッチのすみわけという手法を採用したゴリラとチンパンジーは熱帯雨林に残るという選択肢を選ぶことができた。他方、サバンナに進出するという解を選んだものもいた。

彼らの中で、その後5百万年~7百万年前のさらなる寒冷化・乾燥化の中で独自の戦略を獲得し、完全に熱帯雨林と決別したものこそ、我々の祖先、ヒト、ホモサピエンスである。「社会的知性」の進化を携えながら、ここに人類の冒険は始まったのだContinue reading