神を信じる

イスラームは、唯一神アッラーの存在を信じることから始まる宗教である。ムスリム(イスラーム教徒)にとって、神のことを信じるということはどういったことなのだろうか。また、神はどのような存在なのだろうか。そのことが端的にわかるのは、イスラームにとっての聖なる言語であり、ムスリムたちが日常会話で用いるアラビア語の表現である。

一例を挙げよう。仕事がうまくいったり、旅行から無事帰ってきたりしたとき、ムスリムは「アルハムドゥリッラー」というアラビア語をよく声に出す。この表現は、「神のおかげで」という意味があり、神に感謝する気持ちを表すために用いられる。このほかにも、「インシャーアッラー」(神が望むなら)、「マーシャアッラー」(神が望んだこと)など、日常会話の節々に神(アッラー)が登場する。

参考文献:
「クルアーン」―語りかけるイスラーム』  小杉泰(岩波書店、2009年)
アラビア語表現とことんトレーニング』「アラブ通になれる便利な表現」  竹田敏之(白水社、2013年)
イスラームとは何か―その宗教・社会・文化(講談社現代新書)』第2章:啓典と教義  小杉泰(講談社、1994年)
イスラームを読む―クルアーンと生きるムスリムたち』「イン・シャー・アッラー」  小杉泰(大修館書店、2016年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.3 基本概念・基礎用語編』【基本用語】  加藤博(詩想舎、2020年)

□関連知識カード:
 アッラー
 ムスリム

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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