ユーラシア内陸ルート交易の衰退

現在、一部のイスラーム経済史家たちは、イスラーム世界の経済の後退をユーラシア内陸ルート交易の衰退の問題として捉えようとしている。そこでは、地中海交易の衰退はユーラシア内陸ルート交易の衰退の一部であると考えられている。

というのも、先に指摘したように、ヨーロッバを起点とするからこそ、地中海はヨーロッパ世界の外洋として捉えられるが、イスラーム世界を起点とすれば、地中海はユーラシア内陸ルートの終着点だからである。

参考文献:
「世界経済史におけるイスラ-ムの位置」加藤博 『社会経済史学の課題と展望』  社会経済史学会編(有斐閣、2002年)
N.Steensgaard,The Asian Trade Revolution of the Seventeenth Century. The East lndia Companies and the Decline of the Caravan Trade,The University of Chicago Press, 1974


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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