ユーラシア交易における主導権の推移

ユーラシア交易における主導権の推移について、近代シリア史家、マスターズは、斬新な視角を提供している。

つまり、彼は、イスラーム商人とヨーロッパ商人がそれぞれ異なった経済システムのもとで活動していたとして、それぞれの経済システムを「重商主義」(Mercantilism)と「イスラーム経済」(Islamic Economy)と呼んだ。

そのうえで、この二つの経済システムの対抗関係のなかで、近世イスラーム世界におけるヨーロッパ商人のヘゲモニーの確立を論じた。

参考文献:
「世界経済史におけるイスラ-ムの位置」加藤博 『社会経済史学の課題と展望』  社会経済史学会編(有斐閣、2002年)
B.Masters, The Origins of Western Economic Dominance in the Middle East. Mercantilism and the lslamic Economy in Aleppo, 1600-1750,New York University Press, 1988

■関連知識カード/章説明他:
重商主義


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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