金儲けとイスラーム(その1)

イスラームのおける金儲けと宗教の関係は、プロテスタンティズムにおけるそれとは違ってもっと単純である。『クルアーン』には、「アッラーは商売をお許しになり(後略)」(第2章第275節)とあり、金儲けが直接的に肯定されている。戦後日本のイスラーム研究を牽引してきた1人である牧野信也(1930~2014)は、イスラームの考え方が根本的に商業的であり、その根源において本質的に商業的宗教であると述べている。

参考文献:
イスラームの根源をさぐる―現実世界のより深い理解のために』  牧野信也(中央公論新社、2005年)
日亜対訳・注解 聖クルアーン(改訂版)』  日本ムスリム協会訳(日本ムスリム協会、1982年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』第3章第1節:森羅万象は唯一神アッラーの被造物  加藤博(詩想舎、2020年)

□関連知識カード:
 人間の金銭欲は肯定すべきもの

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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