実物経済から離床する金融資本主義

現在の資本主義を隘路に追い込んだ大きな要因は、資本主義的欲望に取り憑かれた人々によって富の獲得の最後のフロンティアとして注目を集めた金融資本主義の台頭である。

そこでは、複雑で高度な金融商品が市場を席巻し、金融資本主義は、実物経済から離床しながらそれをはるかに上回る勢いで必要以上の成長を続けた。しかし、その成長が砂上の楼閣であったことは、世界金融危機による金融資本主義の崩壊によって明るみとなった。

参考文献:
資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす(日経ビジネス人文庫)』  竹森俊平(日本経済新聞出版、2014年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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