もう一つの市場観である経験主義的あるいは関係論的な市場観は、イギリスの経済学の古典派とマーシャルの商人・商業論に起源をもち、近年では、後述する『経済史の理論』でのヒックスに代表される市場観である。
この市場観によれば、市場は商人を介した、不完全な情報しかもたぬ参加者による個々の取引の集積であり、需要と供給の均衡点はタイムラグをともなって、歴史的に形成される。
参考文献:
『開発経済論 第2版 (岩波テキストブックス)』 原洋之介(岩波書店、2002年)
『アジア・ダイナミズム―資本主義のネットワークと発展の地域性 (ネットワークの社会科学シリーズ)』 原洋之介(NTT出版1996年)
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。
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