二つの市場観

これまでの経済学の歴史には、対立する二つの市場観がみられた。一つは規範主義的あるいは全体論的な市場観であり、もう一つは経験主義的あるいは関係論的な市場観である。

単線的な経済発展モデルは前者の市場観と、多系的経済発展モデルは後者の市場観と親和性を持つ。

また、前者の市場観を持つ研究者は、市場経済と資本主義とを区別しないで、後者の市場観を持つ研究者は、市場経済と資本主義とを区別して論じる傾向を持つ。

参考文献:
開発経済論 第2版(岩波テキストブックス)』  原洋之介(岩波書店、2002年)
アジア・ダイナミズム―資本主義のネットワークと発展の地域性 (ネットワークの社会科学シリーズ)』  原洋之介(NTT出版1996年)


 

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