リバー(利子)の禁止

(2)、(3)の特徴は(1)の特徴に包括される。(1)の特徴に出てくるリバーとは、自己増殖を意味するアラビア語である。

イスラーム経済を理解するための鍵となる言葉であるが、歴史的にみて、一貫した定義で使われてきたわけではない。というのも、コーランでのリバーへの言及では、その意味が必ずしも明らかではないからである。

これまで、大略、次の二つの解釈がリバーに対してなされてきた。第一は、リバーを利子一般とする解釈である。第二は、リバーを法外な利子、つまり高利とする解釈である。歴史的には第二の解釈がとられ、それが有力な時代や地域もあったが、現代では、リバーを利子一般とするのが有力である。

参考文献:
イスラム経済論―イスラムの経済倫理』 第一部第9章:イスラム金融の文明史的意味  加藤博(書籍工房早山、2010年)
イスラーム法における信用と「利息」禁止』  両角吉晃(羽鳥書店、2011年)


 

islum1 ★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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