この法規定によると、実物取引は売り手と買い手が合意するのであれば、どんな売買をしてもよいことになる。他方、貨幣取引の典型であるお金の貸し借りはどうだろうか。1つめの不等価取引禁止の条件からは、私たちがお金の貸し借りで使っている利子を含んだ取引が禁止されることがわかる。借りた金額に利子を上乗せして返すのは不等価取引そのものだからである。これがイスラームで利子が認められない根拠となる。それでは、利子を使わない貸し借りをすれば問題ないのだろうか 。
参考文献:
『現代イスラーム金融論』第2章:リバー論の系譜 長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)
★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。
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