ワクフ物件

ワクフは次の二つの要素から形成される。

第一は、ワクフ物件-「ワクフに組み込まれるもの」-である。これはその所有権が凍結され、そこからの収益が慈善目的に充てられる物件である。

ワクフ物件は、たとえば書籍のような動産、さらにはオスマン帝国時代のように現金であることもあるが、通常、土地や建物など、その利用によって収益を生むことができ、永続的な使用が期待できる不動産からなる。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第6章:宗教・第3節:イスラム社会に普及するワクフ  加藤博(東京大学出版会、1995年)
イスラム世界の経済史』 第二部第5章:ワクフ(寄進)制度にみるイスラム市場社会  加藤博(NTT出版、2005年)
オスマン帝国の時代 (世界史リブレット)』  林佳世子(山川出版社、1997年)

 


★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック