分業化された社会

高い経済の波及効果を生み出すためには、社会が高度に分業化されていなければならない。ここでの分業とは、一つの経済部門での分業や経済部門間の分業のほか、地域経済間の分業を含む。

この点、イスラーム世界が分業化された社会であるという時、際立った特徴は、地域経済間の分業である。イスラーム世界の特徴は外に開かれているとともに、イスラーム世界は広大であり、基層文化や民族のほか、独自の生業や技能によって特徴づけられる、多くの地域社会を抱えていたことである。

参考文献:
イスラム世界の経済史』 第二部第3章第1節:市場社会の指標  加藤博(NTT出版、2005年)
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第1章:生態系  加藤博(東京大学出版会、1995年)
比較経済発展論―歴史的アプローチ (一橋大学経済研究叢書)』  斎藤修(岩波書店、2008年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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