ワクフ制度の特徴:その3 法(シャリーア)に準じた寄進

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その3.物件がワクフとして設定される場合、その物件は、イスラーム法の適用を受けた。

ワクフ設定者に所有権が帰属するものでなければならないが、ここで所有権とは、イスラーム法の財産権における基本規範としての所有権である。

このことは、ワクフの設定と運営に関するすべてはイスラーム法の管轄下に置かれることを意味した。

参考文献:
文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第6章:宗教・第3節:イスラム社会に普及するワクフ  加藤博(東京大学出版会、1995年)
イスラム世界の経済史』 第二部第5章:ワクフ(寄進)制度にみるイスラム市場社会  加藤博(NTT出版、2005年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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