同じ集団に属するニホンザルの個体間には、最上位から最下位まで直線的順位I):「直線的順位序列」とは逆転や三すくみの関係がないこと。つまり、個体Aが個体Bよりも優位であり、BがCよりも優位であれば、AはCより優位であるという関係が成立することを指す。があり、サルは自他の順位を認識している。
二頭が食物を挟んで向かい合うと、必ず高順位の側が食物を取り、低順位は邪魔をしない。上位個体は自分の優位を誇示するように尾を立てて下位個体に近寄れば、下位の側は「泣きっ面」という劣位の表情と音声を示す。
■参考文献
『高崎山のサル』 伊谷純一郎(講談社学術文庫、二〇一〇年)
『ニホンザルの生態』 河合雅雄(河出書房、一九六四年)
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註
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