それは、先に述べた、交易ルートの治安確保の問題と関係する。イスラーム世界では、内陸交易ルートの治安は地域の有力…
タグ: 社会経済史学の課題と展望
知のパラダイム転換の必要
歴史は、近代における、イスラーム世界の近代西欧に対する「敗北」を示している*。 しかし、こうした歴史における勝…
ユーラシア交易における主導権の推移
ユーラシア交易における主導権の推移について、近代シリア史家、マスターズは、斬新な視角を提供している。 つまり、…
陸路での輸送規模を数量的に把握することは困難
また、陸路での交易を低く見積もらせる理由として、陸路での輸送規模を数量的に把握することがきわめて難しいことがあ…
無視されるイスラーム世界
イスラーム世界は近代の経済史において、「負け組」であった。 それでは、誰に対して「負け組」なのか。もちろん、西…
沿岸交易と遠距離交易
この議論は、オスマン帝国を始め、歴代のイスラーム王朝が基本的には内陸志向であったところから説得力を持つ。 しか…
世界経済史の叙述から消えたイスラーム経済
教科書的な世界経済史の叙述のなかで、イスラーム経済はほとんど言及されない。されたとしても、「序文」のなかで簡単…
イスラーム経済形成の背景
イスラーム経済は、商人のネットワークを外部経済として繁栄した。その繁栄は、イスラーム世界の生態的ならびに地理的…
ヒマーヤ(保護)による輸送ルートの安全確保
また、輸送コストに関して考慮すべきは、輸送ルートにおける治安確保の問題である。 輸送コストとして、文字通りの輸…