陸路での輸送規模を数量的に把握することは困難

また、陸路での交易を低く見積もらせる理由として、陸路での輸送規模を数量的に把握することがきわめて難しいことがある。

陸路であれ海路であれ、前近代における交易を数量的に捕捉することは至難の業である。しかし、それでも、陸路に比べれば、海路での輸送は荷の運搬が港を通してなされるため、その交易の規模をある程度推測することはできる。

これに対して、陸路の場合、荷の運搬ルートが知られている場合でも、輸送量や輸送額の統計はほとんど残されていない。

参考文献:
「世界経済史におけるイスラ-ムの位置」加藤博 『社会経済史学の課題と展望』  社会経済史学会編(有斐閣、2002年)
アジア間貿易の形成と構造(MINERVA人文・社会科学叢書)』  杉原薫(ミネルヴァ書房、1996年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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