市場経済と社会的福祉とのバランス

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オスマン帝国は三つの大陸にまたがる世界帝国であり、それ自体でひとつの「経済世界」、つまり経済圏であった。

オスマン帝国の経済にとって重要だったのは、「国内」の経済事情であって、輸出であれ輸入であれ、対外的な貿易は二次的な重要性しかもたなかった。

そのため、「国内」での経済政策では、生産者よりも消費者を保護する立場を取った。つまり、オスマン帝国は市場経済を社会的福祉とバランスを取る形で運営した。

参考文献:
トルコ近現代史―イスラム国家から国民国家へ』  新井政美(みすず書房、2001年)
オスマン帝国の時代(世界史リブレット)』 80-81頁  林佳世子(山川出版社、1997年)


 

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