樹上生活での移動方法

人類が誕生するはるか昔、霊長類の祖先は様々な特徴をアフリカ熱帯林で進化させてきた。

樹高が三十メートルにもなる熱帯林では、食物を探すために木々をつたって上下左右に移動しなくてはならないI):霊長類は白亜紀に熱帯雨林に登場した被子植物とともに共進化してきた。被子植物は、それまで地上を覆っていたシダ植物や裸子植物と異なり、動物に花粉や種子を運ばせることで繁栄の道を辿ったが、その特徴として枝を横に伸ばすので、空中に枝を伝う回廊を作ることになる。。このため種によって四足歩行、ぶら下がり移動、あるいは地上移動を進化させた。したがって手足の形も種によって様々だ。


■参考文献
『熱帯雨林』  湯本貴和(岩波書店、一九九九年)

『熱帯雨林 生命の森』  湯本貴和(エメラルドフォレスト、二〇〇八年)

『人類進化論―霊長類学からの展開——』第二章 人類誕生の舞台  山極寿一(裳華房、二〇〇八年)

 

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I. :霊長類は白亜紀に熱帯雨林に登場した被子植物とともに共進化してきた。被子植物は、それまで地上を覆っていたシダ植物や裸子植物と異なり、動物に花粉や種子を運ばせることで繁栄の道を辿ったが、その特徴として枝を横に伸ばすので、空中に枝を伝う回廊を作ることになる。