ウルフ(慣習法)にも及んだ法令の中央集権化

法令の中央集権化は、ウルフにも及んだ。

本来、ウルフは具体的内容を時代や地域によって異にする慣習法であった。それをオスマン帝国は、ウルフ集として編纂することになる。このことは、本来、不文の慣習法であったウルフを中央集権化し、実定法の一部としてカーヌーン(行政法)化したことを意味した。

しかし、それは同時に、その後の柔軟な法解釈の幅を狭めることにもなった。

参考文献:
興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和 (講談社学術文庫)』  林佳代子(講談社、2016年)
オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)』  鈴木董(講談社、1992年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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