ヒスバと並んで、イスラームの経済ビジョンを制度化する際の鍵概念は、「社会福祉」とも「公共福祉」とも訳されるマスラハである。
それは、アドル(正義)の概念と同じく、神の意図を体現しつつも一般住民の日常生活に根づく社会慣行をも反映した、いわば社会のコモンセンスであった。
参考文献:
『文明としてのイスラム―多元的社会叙述の試み』 第6章:宗教・第2節:商人文化としてのイスラム 加藤博(東京大学出版会、1995年)
「Maslahaの歴史的展開」三木亘 『オリエント』8巻1号、1965年
□参照知識カード:
イジュティハードとは
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。
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