イスラーム法(シャリーア)は統一的な法体系ではない

イスラーム法はコーラン、つまり啓示に基づく普遍的な規範群である。しかし、それは一つの体系化されたものではない。コーランは一つであっても、コーランの文言の解釈は一つではないからである。

そのためイスラームは多数の宗派を抱えている。宗派として、スンナ派とシーア派がよく知られているが、それぞれの宗派はさらに、いくつもの法学派に分かれている。そして、こうした宗派や法学派は、たとえその間の違いは小さくとも、それぞれのシャリーア体系をもっている。

参考文献:
イスラム世界論―トリックスターとしての神』 第二部第3章第2節:イスラム法とイスラム法体系  加藤博(東京大学出版会、2002年)


 

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