グローバルヒストリー

急速なグローバル化が進展するなかで、一国史的、地域史的な枠組みを脱して、人間の歴史を世界大、地球大で捉えようとする歴史研究の方法論。とりわけ従来のヨーロッパ中心主義(世界史=西洋史)からの脱却をはかろうとする、新しい世界史の試みのこと。

ウォーラーステインの『近代世界システム』やケネス=ポメランツの『大分岐』はその代表的著作とされる。ただこれまでのところ、「近世」や「近代」という時代区分・術語など、視角・概念やデータの集め方・使い方などで従来の西洋史の基準・方法を踏襲したものが多く、真の意味で脱西洋史観となっていない、という批判も多い。

参考文献:
イスラム世界論―トリックスターとしての神』 第一部:イスラムとポストモダン  加藤博(東京大学出版会、2002年)
現代帝国論―人類史の中のグローバリゼーション』  山下範久(日本放送出版協会、2008年)

■関連知識カード/章説明他:
大分岐
世界システム論


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。


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