大転換

「いちば」から「しじょう」への移行の間には断絶があるとするカール・ポランニーの主張。

すなわち、個別的交易行為、局地的市場(近隣ないし局地的取引)、遠隔地取引(輸出)、全国市場(国内ないし全国取引)、これらがいわば「市場の進化論的発展」として具体化することはない。全国市場(国内ないし全国取引)が成立するには、「経済システムが社会システムのうちに埋没していた」市場経済生成以前の段階から、「社会の中に独立の経済システムが存在する」ようになった市場経済生成後への大転換(great transformation)が必要である。社会構造の作り変えなしに市場経済は成立しない、とした。

参考文献:
大転換-市場社会の形成と崩壊』  K.ポランニー 吉沢英成ほか訳(東洋経済新報社、1975年)
入門・世界システム分析』  イマニュエル・ウォーラーステイン 山下範久訳(藤原書店、 2006年)
現代帝国論―人類史の中のグローバリゼーション』  山下範久(日本放送出版協会、2008年)

■関連知識カード/章説明他:
近代資本主義経済の形成
市場経済は「悪魔のひき臼」
社会に埋め込まれた経済


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。


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