近代資本主義からグローバル資本主義へ

労働市場に続いて、工業生産のための大規模な資金を調達するための金融市場や土地を売買するための不動産市場が登場した。

このように経済活動の多くの部分が市場化され、資本主義のしくみが優位になっていった経済システムをそれが生じた時代を冠して近代資本主義と呼ぶ*。また、近代資本主義がその発信地であるヨーロッパからアジア・アフリカ地域に浸透していき、地球全体で資本主義が優位に立つ経済システムのことをグローバル資本主義と呼ぶ。

参考文献:
大転換[新訳]』  カール・ポラニー 野口建彦他訳(東洋経済新報社、2009年)
イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」Vol.3 基本概念・基礎用語編』【基本用語】  加藤博(詩想舎、2020年)

*研究者によっては、こうした資本主義のしくみが優位となった経済システムに限って、資本主義(本書における近代資本主義に相当)と呼ぶことがある。[編集部]

□関連知識カード:
 大転換

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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