非イスラーム教徒共同体の包摂と契約

「ダール・イスラーム」(イスラームの家)は、歴史におけるリアリティとしてのイスラーム世界と重なる。

そこでのイスラーム教徒と非イスラーム教徒の関係は、イスラーム教徒のヘゲモニーへの承認と納税の義務の履行を条件に、イスラーム教徒の信徒共同体が非イスラーム教徒の共同体に対し信教の自由と生命と財産の保全を保証(ズィンマ)するというものである。

つまり、政治的な共同体のなかでのイスラーム教徒と非イスラーム教徒との共生も、契約と観念されていたのである。

参考文献:
イスラム世界論―トリックスターとしての神』 序  加藤博(東京大学出版会、2002年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.2 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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