経済発展と外部条件

市場での交換の前提である差異を創り出すためには、交換の条件を変える必要がある。

ここで、交換の条件とは、天然資源や自然環境をはじめとした外界の物質的世界であり、交換される労働の質である。前者のドラスティックな変化は、ときとしてエネルギー革命を引き起こした。また、後者の変化の典型が技術革新、そして人口の増減である。

外界の物質的世界であれ、技術革新や人口の増減であれ、これらに共通しているのは、直接には市場交換とは関係ない外部条件だということである。

参考文献:
イスラム世界の経済史』 第一部第3章第1節:市場と外部条件  加藤博(NTT出版、2005年)
エネルギーの征服―成熟と喪失の文明史』  A. ヴァラニャック 蔵持不三也訳(新泉社、1979年)

 

 

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