物質的外界と人間の社会的実践 その2 社会的実践と心的構造

その上で、ヴァラニャックは物質的外界と人間の社会的実践との関係を、次のように述べる。

「要するに、社会的実践(praxis)のあらゆる異なった段階に対し、さまざまな形において社会構造が対応しているのみならず、本来的な心的構造までが即応している、ということになる。ところで、この心的構造は、それぞれのエネルギー情況に密接に依存しており、かつまた、もし新しいエネルギー源の出現でその情況に変化が生じれば、自ら変化しはては消滅に向かうべく定められた日常的な「基礎的体験」にも基づいているのである」。(『エネルギーの征服―成熟と喪失の文明史』 19頁)

参考文献:
エネルギーの征服―成熟と喪失の文明史』  アンドレ・ヴァラニャッ 蔵持不三也訳(新泉社、1979年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.3 基本概念・基礎用語編』を構成している「知識カード」の一枚です。


◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック