ゲームキャラクターの人工知能は、生物の知能を模倣して作ります。人間の知能の原理は、人工知能を作るための、唯一のリファレンスと言って良いでしょう。
例えば、人間の知能の階層性は、そのままキャラクターの知能の階層性に持ち込まれます。
ただ、ゲームキャラクターは生物と違い、長い進化の中で培ったような身体を持たないため、世界との関係が希薄です。そのため、出発点となるのは環世界の人為的な構築であり、そこからサブサンプション構造のように知能の層を上へ上へと構築して行く方法なのです。※I):例えば、「目的に向かって進む」が最下層にあって、「敵を見つけたら魔法攻撃する」がその上にあり、さらにその上に「体力が切れたら回復薬を飲む」といった具合に行動を階層的に作り上げて行くのです。サブサンプション構造はゲームキャラクターの知能にとっても必須の技術です。
■参考文献
『人工知能の作り方 ――「おもしろい」ゲームAIはいかにして動くのか』 三宅 陽一郎 二〇一六年
『人工知能のための哲学塾』 第三章・第三節 分析哲学から人工知能へ 三宅 陽一郎 二〇一六年
★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。
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註
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