ムラーバハは、近代以前のイスラーム世界で市場の商人が商品の仕入れ値に一定の上乗せ利潤（マークアップ）を加えて、買い手に販売する手法であった。イスラーム法学では、仕入れ価格とマークアップの金額を買い手にきちんと明示しなければいけないとされており、商取引や商品に疎い買い手が不当に高い価格で買わされることを防ぐための手法として、イスラーム世界各地の市場で用いられていた。
参考文献：
『現代イスラーム金融論』第１章：イスラーム金融の展開と金融システム 長岡慎介（名古屋大学出版会、2011年）
「イスラーム金融を作る―法学者たちの静かなる革命」長岡慎介 『現代中東の宗教・メディア・ネットワーク―イスラームのゆくえ』 千葉悠志・安田慎編（春風社、2021年）
★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済（下） 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。
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