イスラーム金融の実践は、1960年代の2つの先駆的取り組みから始まった。1つは、1962年にマレーシアで設立された巡礼貯金公社(タブン・ハッジ)である。
この組織は、マッカ巡礼をめざすムスリムたちの資金の積み立てを管理することを目的としたもので、無利子金融で資金の運用が行われた。この組織は、現在でも巡礼をめざすマレーシアのムスリムたちから多くの資金を集めている。
参考文献:
『現代イスラーム金融論』第1章:イスラーム金融の展開と金融システム 長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)
「マレーシアにおけるイスラーム経済制度の展開―イスラーム銀行を中心にして」鳥居高 『アジア新世紀―市場』 青木保編(岩波書店、2003年)
★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。
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