イスラーム金融の先駆的取り組み:エジプト

イスラーム金融のもう1つの先駆的取り組みは、1963年にエジプトのナイル・デルタで設立されたミート・ガムル銀行である。

この銀行は、現地の農民たちへの農業資金の提供を目的として作られ、大きな成功を収めた。その成功が既存の金融機関や政府当局の反感を買うことになり、4年後には閉鎖の憂き目に遭うが、この銀行の設立者であるアフマド・ナッジャールは、中東各国でのイスラーム銀行の設立の立役者になる。

参考文献:
「エジプトにおけるイスラーム金融の展開と問題点」山田俊一  『世界に広がるイスラーム金融―中東からアジア、ヨーロッパへ』 濱田美紀・福田安志編(アジア経済研究所、2010年)
現代イスラーム金融論』第1章:イスラーム金融の展開と金融システム  長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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