ヒトは類人猿

「ダーウィンの番犬」と呼ばれたトマス・ハクスリーI):トマス・ヘンリー・ハクスリーは、人前で議論することを好まなかったダーウィンに代わって、『種の起源』刊行後に起きた、「進化論」に関する議論に支持者として活動をした人物。進化論反対者との活発な議論を通じて得られた知見をまとめた論文が、「自然界における人間の位置についての証拠(Evidence as to Man's Place in Nature)」である。ハクスリーは二十歳のとき、ロンドン大学で解剖学と生理学で首席となったことで有名で、同論文において、猿の骨格と人間の骨格を比較する有名な口絵を挿入した。は、「どの特徴を取り上げてみても、サルとゴリラよりも、ヒトとゴリラの方が互いに似通っている」と主張した。系統的に異なるのはヒトとゴリラではなく、ゴリラとニホンザルの方なのだ。

ダーウィンの予言どおり、私たちの起源は類人猿にあった。


■参考文献
Evidence as to Man’s Place in Nature, Thomas H. Huxley. Williams and Norgate (1863)https://www.gutenberg.org/files/2931/2931-h/2931-h.htm

『ここまでわかった人類の起原と進化』  ロジャー・ルーウィン 保志宏・楢崎修一郎訳(てらぺいあ、二〇〇二年)原著一九九三年

・画像:口絵 [編集部]

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I. :トマス・ヘンリー・ハクスリーは、人前で議論することを好まなかったダーウィンに代わって、『種の起源』刊行後に起きた、「進化論」に関する議論に支持者として活動をした人物。進化論反対者との活発な議論を通じて得られた知見をまとめた論文が、「自然界における人間の位置についての証拠(Evidence as to Man's Place in Nature)」である。ハクスリーは二十歳のとき、ロンドン大学で解剖学と生理学で首席となったことで有名で、同論文において、猿の骨格と人間の骨格を比較する有名な口絵を挿入した。