それゆえわたしたちは、この苦しみから逃れるために、しばしば「自由」を自ら放棄し、その生が何らかの形で支配・決定されることを望むようになる。
これは、フロムの『自由からの逃走』で鮮やかに示された人間心理だが、同じような洞察は、トクヴィルやジンメルといった、フロムよりも前の思想家たちによっても早くも気づかれていた。
■参考文献
『アメリカのデモクラシー』 アレクシ・ド・トクヴィル※I):フランスの貴族出身の政治学者、政治家、歴史家(一八〇五~一八五九年)。裁判官からキャリアをスタートさせ、国会議員から外務大臣まで務め、三つの国権(司法・行政・立法)全てに携わった。[編集部註]
原著一八三五~一八四〇年
『社会的分化論―社会学的・心理学的研究』 ゲオルク・ジンメル※II):プロイセン王国ベルリンにて、七人兄弟の末子として生まれる(一八五六~一九一八年)。父は裕福なユダヤ系商人(カトリックに改宗)、母もユダヤ人(プロテスタントに改宗)。自身もプロテスタントの洗礼を受ける。ベルリン大学で歴史、民族心理学、哲学を修め、二十三歳で哲学博士となった。ニーチェやベルクソン、ディルタイとともに「生の哲学者」として知られる。[編集部註]
原著一八九〇年
★この記事はiCardbook、『<自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——: (上)現状変革の哲学原理 』を構成している「知識カード」の一枚です。
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註
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II. | 戻る | :プロイセン王国ベルリンにて、七人兄弟の末子として生まれる(一八五六~一九一八年)。父は裕福なユダヤ系商人(カトリックに改宗)、母もユダヤ人(プロテスタントに改宗)。自身もプロテスタントの洗礼を受ける。ベルリン大学で歴史、民族心理学、哲学を修め、二十三歳で哲学博士となった。ニーチェやベルクソン、ディルタイとともに「生の哲学者」として知られる。[編集部註] |