個人の欲望と共同体の福祉との融合

イスラーム経済はイスラームが啓示された7世紀から今日まで、栄枯盛衰はあったものの、一貫してその影響力をもち続けた。そして、イスラーム経済の歴史におけるダイナミックな展開をもたらしたものは、イスラームの経済ビジョンにおける二つの特徴、つまり個人の欲望の肯定と共同体の福祉の融合であった。この二つを現代風に言い換えれば、個人のインセンティブと共同体的な社会規範ということになろう。

参考文献:
イスラム世界の経済史』 第二部第2章第1節:イスラムにおける経済観  加藤博(NTT出版、2005年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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