「個的直観」とは、たとえば目の前のカップが「見えてしまっている」、相手の声が「聞こえてしまっている」という、いわば動かしがたい知覚の〝到来性〟のことだ。
わたしたちは、この目の前のカップの実在や声の主の実在を、疑おうと思えば疑える。しかし、それが「見えてしまっている」「聞こえてしまっている」という知覚の到来性については、決して疑うことができないのだ。
■参考文献
『現象学入門 (NHKブックス)』 竹田 青嗣 一九八九年
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。

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