ムラーバハの普遍性(その2)

現代の西洋型金融では、こうした実物商品の売買によってお金の貸し借りの機能を代替することは原則として認められていない。日本でも、業法規制によってこうした手法を金融機関が扱うことはできず、一部の闇金(チケット金融)で見られるに過ぎない。つまり、近代以前の世界で広範に見られたムラーバハ的な手法は、近代に入るところで「合法」から「非合法」な手法へと転化したのである。その背景には、金融経済を自律的なシステムと見なす近代資本主義の世界観がある。

参考文献:
ナニワ金融道(2)(講談社漫画文庫)』  青木雄二(講談社、1999年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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