イスラーム法体系の中のウルフ(慣習法)

ウルフはアーダとも呼ばれる、社会のコモンセンスを法源とする規範群である。そのため、慣習法、あるいは単純に慣行と訳される。その典型的な法領域が経済的な取引であった。

実際、人種や民族、宗教の違いにこだわっているならば、円滑な商売はできない。イスラーム経済はイスラームのビジョンに準拠したものの、現実には、経済取引は商人たちが交流の中で合意したウルフに基づいてなされた。

参考文献:
イスラム経済論―イスラムの経済倫理』 第二部第1章:法と経済  加藤博(書籍工房早山、2010年)


 

★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。


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