二種類の運動生成法
ゲームキャラクターの運動生成方法は二種類があります。 ひとつはデータとして用意されたモーションデータを再生するやり方。 もうひとつは自ら運動を生成するやり方です。現在のゲームでは前者が主流です。
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モーションデータが与えられるということは、運動は環境に応じて再生しているだけなので、場合によっては環境との齟齬が発生します。また知能の出口としてはとても限定された運動しか為し得ないことになります。
これはそのモーションデータが束縛条件として考慮されうることを意味します。つまりキャラクターの意思決定が身体能力によって制限されるという現象が起こります。自ら運動を生成する方法への期待は高まっているといえるでしょう。
しかし一つの身体を持った人工知能を考える時、知能の部分と運動を司る部分の接続が問題となります。意思決定は基本的には離散的な記号的なシステムであることが多く、また運動生成は環境とインタラクションしながら連続的な動作を実現します。この二つの部分をどのようにつなぐかが次の課題なのです。(知能と運動 – iCardbook|知の旅人に https://society-zero.com/icard/771277 )
知能が階層構造を持つように、身体もまた階層構造を持ちます。ユクスキュルの「環世界」は生物の根底にある主観性の理論を構築し、ギブソンは心理学の立場から人間の理解を深めましたが、これをより運動の面から詳細に探究したのが、ロシアの生理学者ニコライ・ベルンシユタインでした。ベルンシュタインの理論の中の主要なコンセプトである「協応」が、知能と運動の接続にひとつの手がかりを与えてくれます。
知能と運動の接続に触れた参考文献(書籍)を紹介しましょう。
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■参考文献(書籍)リスト
(参考文献のもっと詳しい内容は、書籍タイトルをクリック。関連知識カードもクリックするとコンテキスト(文脈)がわかりとても便利。)
デクステリティ 巧みさとその発達
◎関連知識カード
・ベルンシュタイン
・運動の四つの生成段階
・協 応
人工知能のための哲学塾
◎関連知識カード
・運動知覚とゲームキャラクター
・身体の両義性と階層性
物質と記憶
◎関連知識カード
・感覚と運動の協応
・知能の階層構造と身体
・自己とは何か?
◎これは『人工知能と人工知性(三宅陽一郎)』の「第七章 運動のための人工知能」の参考文献(書籍)をリスト化したものです。
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